世界中のきらきらが 音も立てずに 僕のまわりに 転がっている
俯いた足もとに 広がっている 冷たいコンクリートの上
ゆっくりと過ぎていく 午後の光の中に 舞うほこりの中
食べかけの メロンパンからこぼれ落ちた パンくずのそば
そういえば、 うまくいかずに 逃げ出したくなった 昨日の体育館の 床の上にだって
きらきらが 転がっていたんだ
この世界には 二つ以上のものが 詰め込まれていなくてはいけない
君と僕 金持ちと貧乏 健康と病気 強い人と弱い人 光と陰 愛と憎しみ 安心と孤独 ブロンドと黒髪 晴れの日と雨の日
それから、 幸せとそうじゃないもの
きらきらは 確かに、今ここで 転がるということを 続けている たった独りで ここに在る
二つ以上のものが なくてはならない この世界の中で きらきらだけが 独りぼっち
きらきらは 決して 教えてはくれない どこにいるのか 次はどこへゆくのか
それでも僕たちは きらきらを 見つける
二つ以上のものが 一緒になくてはならない この世界のあちこちで 二つのうちの いらないと思っていた かたっぽの中に 僕たちは 音も立てずに 転がっている 独りきりの きらきらを 確かに見つける
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