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大切な栞を
大切な本のページのどこかに
はさんだのだけれど
それがどこなのか
何の本だったのか
思い出せずに
中途半端に時を止めた本と
行方不明の栞の数が
次々とふえていく
その分
私は
何か大切なことを
そこかしこに置き忘れた
そんな気がして
思い出せないことを
思い出せないままに
新しい話を始める
止まったままのストーリーは
動くはずもなく
新しく始まったできごとが
それを追い抜く様子も
まるでなくて
大切なものを大切なばしょに
置き忘れたまま
新しい大切の中から
見つからない何かを
探そうとしてる

 

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