大切な栞を 大切な本のページのどこかに はさんだのだけれど それがどこなのか 何の本だったのか 思い出せずに 中途半端に時を止めた本と 行方不明の栞の数が 次々とふえていく その分 私は 何か大切なことを そこかしこに置き忘れた そんな気がして 思い出せないことを 思い出せないままに 新しい話を始める 止まったままのストーリーは 動くはずもなく 新しく始まったできごとが それを追い抜く様子も まるでなくて 大切なものを大切なばしょに 置き忘れたまま 新しい大切の中から 見つからない何かを 探そうとしてる
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