ねむり方を忘れたの ふと気づいたら さわがしかった通りも家の中も すっかりしんとしずまりかえって
目をつぶればいいのかな つぶったつもりが ふと気づいたら オレンジの光がかわらずに 広がっている
おしえてもらったねむり方を ひとつひとつていねいに 思い出してみる
百までひつじを数えても ラベンダー畑を思いうかべても 気もちのおちつく音楽をきいても ひとりきりの夜に とりのこされたまま
ねむり方を忘れてしまったみたい さみしいというのもわからなくなって とりあえずつけたラジオの中には わたしと同じに ねむらない夜か ねむれない夜をすごす人たちが ちゃんといて どんなおまじないよりも ほっとした
ねむり方を忘れたの そう言って もしだれかがこたえてくれたなら オレンジの夜も ひとりとりのこされた夜も 前ほどつらくはないと 思えるのかもしれない
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