rainy

 

雨ふりの 地下街を
ずんずん 歩く
みんなの 傘の色
確かめて 僕は
地上の灰色を
ほんの少しだけ忘れる

傘は それぞれ
人も それぞれ
ちぐはぐさから浮かぶ
あたりまえから外れた
雨の日、の中にある 日常

思い思いの 色が
思い思いの 形が
通過地点でしかないことを告げる
僕はそのことを 確かめる

灰色の空を 忘れよう
ふつり合いな 傘が
僕たちをあたりまえに
守るように

灰色の今を 忘れよう
うそらしい 気もちで
いつもみたいに
僕を 僕から
守れるように

 

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