けいたいの音
けいたいの、カチカチいう音が苦手だ思わずみけんにしわを寄せる、電車で教室で並んで歩く道でリビングのソファのそばで。
カチカチと、せわしない。わたしには、知れないだれかの言葉がわたしという存在を、通りこして見えないだれかのところへ。
ちかくにいるこの人は、こんなにも無音の言葉にあふれている。
わたし、こわくなって、ちょっとごめん、すぐ、もどるから、にげだしてしまう
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