『はてしない物語』

 

ふと、思いだした
「さくらのかんさつきろく」をしながら
きみと話した本のこと

きっと 色々話したはずなのに
覚えているのは、
印をつけられた桜の枝と
すわっていた遊具の高さ、
どうやってその本を手に入れたか、
たった、それだけ

あの、赤くてぶあつい本を
よんだ人がとなりにいる
それだけで、よかったんだ

十数年ぶりに思いだして
ほこりのかぶった本を開いてみた

あのときの わくわくがよみがえる
なんてぜいたくな子どもだったのか
今ならどんな話をするのか

もう一度よみかえして、
そしたら、きっと、そのあとには
また きみに会いたくなる

 

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